ラグビー日本代表の躍進を支えたWTB福岡堅樹(27=パナソニック)には、第2の人生の夢を支える「チーム」がある。現役引退後、大学の医学部に入学して医師を目指す福岡の学習体制をサポートする大手進学塾「英進館」(本社福岡市)だ。小中の約4年間通った福岡は、筑波大卒業後の16年4月から再び在籍。かつてのクラス担任で、今も担当する神田岳彦さん(49)は「落ち着いたら本格的に勉強を始めてほしい」とねぎらった。21年春の「サクラサク」を目指す。   ◇    ◇    ◇

神田さんは、中学の塾生に対するキャリア教育の教材で使うため、リオ五輪出場前の福岡にメッセージを依頼したことがある。「『今やっていることが終わったら、次はこれをするぞ!』という意識が大事です」。福岡は、現役引退後に医師を目指す生き方を反映するような言葉を記した。中高生時から意識していたことだとも書いていた。

神田さんは「彼のプレーを見ていると、子どもたちもうれしくなると思う。以前は説明が必要でしたが、今はラグビーの福岡といえば、子どもたちは一瞬で分かります」。今年5月30日塾を訪れた福岡は、大学入学を目指して浪人している生徒約50人と交流。サインや写真撮影にも気さくに応じ「自分を見て笑顔になってくれる人がいるのが、うれしいですよね」と話していたという。