安倍晋三首相(65)の昭恵夫人(57)が22日の「即位礼正殿の儀」で着用していた白のひざ丈ドレスが一部で物議を醸しているが、ファッションジャーナリストの福田京子氏は「あの場に限ってはトレンドを追いすぎ。場にふさわしいファッションも1つのセンス。残念だった」と指摘した。

福田氏はドレスについて「ベルスリーブ(=袖口にかけて広がる釣り鐘型の袖)はトレンド。昼間のパーティーで着ていたらとてもすてきだった」と褒めた。一方で「パーティーではないので、あの場においては、ボディーラインが出ていて、丈も少し短い感じで、ふさわしくなかったのでは。靴もフォーマルの規定は中ヒールですが、昭恵夫人のヒールは高かった」とTPOの問題を指摘。さらに「すてきだからいい、ということではない。もう少し場を考え、礼儀や敬意を表すエレガントな装いの方がよかったのでは。夜(=饗宴の儀)に着用されていましたが、着物の方が良かったのでは。着物は色や柄が地味でも存在感で勝てる」と話した。

また、昭恵夫人のドレスは日本ブランド「ツグエダユキエ」のオーダーメードものだったことも判明した。昭恵夫人の愛用ブランドの1つで、安倍首相の外遊に同伴した際など、たびたび同ブランド製品を着用している。

デザイナー継枝幸枝氏によると、今年8月のアフリカ開発会議用にと、昭恵夫人から注文があったという。流行のベルスリーブを取り入れ、体の部分をコンパクトにするなど、袖以外はシンプルにデザインした。色は白にシャンパンゴールドを交ぜたようなものにしたという。昭恵夫人からデザインについて提案があったわけではないといい「公式行事で着用されることを意識し、品良く見えるものをこちらが提案させていただいた」と明かした。

福田氏は昭恵夫人がアフリカ開発会議時と同じドレスを着用としたことについては「普段だったら、着回しはすてきなこと」と前置きした上で「今回は皇室行事の中でも園遊会やパーティーとはまた違い、一生に一度と大きなもの。とてもフォーマルな場なので、会議で着ていたものを着ていく場ではなかったのでは」と指摘した。