宇宙航空研究開発機構(JAXA)は29日、国立極地研究所(極地研)、ミサワホーム、ミサワホーム総合研究所と共同研究開発した「南極移動基地ユニット」を東京・立川市の極地研で発表した。

南極昭和基地から内陸基地への移動型基地で1基の長さ約6メートル、幅約2・4メートル、高さ約3メートルのコンテナ型で内部の床面積は約33平方メートル。来年2月から第61次越冬隊で実証実験が行われる。気温マイナス80度、秒速50メートルのブリザードが吹き荒れる過酷な環境下で蓄積した技術を応用して開発された。将来は真空で宇宙放射線を浴び、昼は110度、夜はマイナス170度に達する月面探査などで小型軽量な有人基地として建設を目指している。「南極での実証実験による地上の技術を宇宙で融合させ、月や火星で活用させたい」と久保田孝JAXA教授は南極から宇宙への技術応用に期待を寄せた。