全国高等学校長協会(萩原聡会長)は、来年度から始まる大学入試共通テストの英語に導入される民間検定試験について、文科省からの10月18日付の報告書をホームページ上で公開した。

協会は「公正・公平の確保が担保されていない」などとして、7月25日付で「大学入試に活用する英語4技能検定に対する高校側の不安解消に向けての要望書」、9月10日付で「英語4技能検定の延期及び制度の見直しを求める要望書」を文科相宛てに提出していた。公開された報告書は、協会が10月21日に開催した緊急シンポジウムで、文科省大学入試室長が説明に使っていた。

内容は、その時点までの文科省や大学入試センターの取り組み。教育現場では、スタートまで5カ月になってもなお、民間6団体7試験について日程、会場など詳細な基本情報の多くが発表されず、批判や不安が高まり混乱が深刻化している。しかし、この報告書でも民間団体に対しては「要請」や「要請する予定」などの表現にとどまっている。ある意味“丸投げ”といわれても仕方ない状況に、制度設計や民間活用の根本的問題点、準備の大幅な遅れの原因が浮き彫りになっている。