衆院文科委員会の与野党理事は29日、20年度からの大学入試共通テストの英語で導入される民間検定試験について、参考人質疑を来週に行うことで合意した。野党側からは参考人として、最も受験生が多いとみられる試験「GTEC(ジーテック)」を実施するベネッセコーポーレーションなどが提案されているという。

新制度では、受験生は民間の6団体7種類から選択する。来年4月のスタートまで5カ月になっても基本情報で分からないことが多く、教育現場の混乱が深刻化している。特にGTECは現時点で会場などの詳細情報が少ない。ベネッセはまた、10月21日に全国高等学校長協会が6団体を招いて開催した緊急シンポジウムにも「現時点以上の情報を発表できない、次の発表に向けて準備中」との理由で唯一欠席。校長側は「説明責任を果たしてほしかったので残念」とコメントしていた。

立憲民主の安住国対委員長もこの日、新制度の中止を求めていく考えを話す中で「大体、これをやる大手業者は一切国会にも来ないし、説明もしない。公聴会に呼ばれても、この大手だけが一切来ない。説明もしない業者に、自分たちの子供の将来を預けるような試験をやらせるのかと、徹底追及を文科省にしていきたい。実施業者のベネッセもきちっと責任者が来て、国会で参考人をやるように求めていきたい」などと発言していた。

萩生田氏の“身の丈入試”発言は、新しい大学入試の根本的問題点をあらためて浮き彫りにし、くしくも社会に広めることになった。現場などからは大臣の資質や責任を問う以上に、新制度の延期や中止を求める声が強まっている。