河井克行氏の辞任を受けて、31日の国会は全ての審議が止まった。河井氏が参院法務委員会の出席直前に辞表を提出し、法相として説明責任を果たさなかったことも一因。今国会初となる衆院憲法審査会も予定されていたが、流会となった。

首相は「任命したのは私。こうした結果になり責任を痛感している」と任命責任に言及したが言葉だけ。1週間に2人も重要閣僚が「政治とカネ」でドミノ辞任したことを重く見る、野党は反発。首相の側近でもある萩生田光一文科相が、大学入学共通テストで導入される英語民間検定試験をめぐる「身の丈」発言で窮地に立たされており、さらなる「ドミノ辞任」を狙う。野党は「内閣総辞職に値する事態」と指摘しており、自民党内でも「首相は相当追い込まれるのでは」と危機感が広がっている。

◆安倍政権の辞任ドミノ 06年9月発足の第1次政権では、複数の閣僚を「事務所費問題」「光熱水費問題」が直撃。佐田玄一郎行革担当相、松岡利勝、赤城徳彦、遠藤武彦各農相が相次いで辞め、久間章生防衛相も失言辞任。参院選で惨敗した首相は同年9月、体調不良で退陣に追い込まれた。第2次安倍政権発足以降は、14年10月に小渕優子経産相、松島みどり法相が「政治とカネ」で連続辞任。今年4月は塚田一郎国交副大臣、桜田義孝五輪相がともに失言で更迭された。