英王室のヘンリー王子(35)が2日、ラグビーワールドカップ(W杯)決勝戦に合わせて初来日した。

イングランドは敗れたが、南アフリカの優勝をたたえた。観戦に先立ち、都内にあるパラスポーツの専用体育館を訪れ、20年東京パラリンピック出場を目指すアスリートと交流。「東京で2度目のパラリンピックが開かれるのはすばらしい」と話した。障がい者スポーツの普及に取り組む王子は、来年、東京パラでの再来日にも意欲を示したという。

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ヘンリー王子は2日夜、横浜市の日産スタジアムで、ラグビーW杯日本大会のラストマッチを観戦した。イングランドラグビー協会名誉総裁として貴賓席で秋篠宮ご夫妻らと試合を見守り、ノーサイドの瞬間は両チームの健闘をたたえた。

英王室は日本の皇室とゆかりが深いが、王子は初来日。試合前には、パラスポーツ専用体育館として昨年6月に完成した「日本財団パラアリーナ」(東京都品川区)を訪問。シャツにデニムのラフな服装。東京パラリンピック出場を目指す車いすラグビーやボッチャ、パワーリフティングの選手に気さくに語りかけた。

車いすラグビーは、ロンドン大会4位、リオ大会は銅メダル。王子は「こういう練習場があるのはいい。東京大会は金メダルですね」と語りかけ、ボッチャの選手には「絶対に強くなって」と、激励した。

14年に傷病兵らの国際スポーツ大会「インビクタス・ゲームズ」を創立、障がい者スポーツの支援を続けている。案内役を務めたパワーリフティングの山本恵理が、ロンドンパラ大会の成功に触れ「日本もロンドンを目指しています」と伝えると、喜んだという。「大会前、国民の興味はそう高くなかったが、始まると盛り上がった。日本はすでに関心もあり、そこから大会に向かえるのはすごい」と話し、日本パラリンピックサポートセンターの山脇康会長には、準備状況について質問を続けたという。

「初めて日本に飛行機で飛んできたが、割と近かった。来年もぜひ東京に来たい」。再来日に意欲をみせた王子と交流した、車いすラグビー代表の今井友明は「来年は決勝戦で英国と戦って勝ちたい」と、決意を新たにした。【中山知子】