年末の風物詩、「『現代用語の基礎知識』選 2019ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が6日、発表された。ノミネート語の解説は、以下の通り。

<16>肉肉しい 近年のかたまり肉や熟成肉、肉バルなどの肉ブームから、より「肉っぽさ」を感じる料理を食べたときに使うことで数年前から広がっている。レシピサイトなどでも多用されているが、国語の辞書には「憎々しい」しか載っていない。食に関して「◯◯しい」という表現が、増えていくのかもしれない。

<17>にわかファン ラグビーワールドカップ日本大会は、アジア初の開催で、開幕戦から徐々に盛り上がりをみせた。日本代表の快進撃で8強入りを勝ち取り、史上初の決勝トーナメント進出も決めたことで、「にわか」を自認するファンが増えた。普段、ラグビーを観戦していないような人びとが、ワールドカップのことを話題にする際に「にわかですけど」と一言つけて語る姿が多く見られた。

<18>パプリカ 米津玄師が作詞・作曲・プロデュースする、NHKの「2020応援ソングプロジェクト」の曲。5人の子どもユニット「Foorin」が踊るダンスが子どもたちに人気となった。今夏、米津本人がセルフカバーして話題に。

<19>ハンディファン(携帯扇風機) 小型扇風機に持ち手が付いた商品がブームに。もともと中国などで若い層に流行(はや)っていた商品が国内でも流通するようになり、低価格の商品も増えたことで老若男女に利用が拡大した。ハンズフリー商品なども登場し、夏場は多く見かけた。

<20>ポエム/セクシー発言 小泉進次郎環境大臣が、福島第一原発事故で発生した除染廃棄物の最終処分場が決まっていないことを問われて返した発言から、小泉ポエムとして話題に。また、出席した国連気候行動サミットで「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ」と発言したことも話題に。さらに、結婚を決めたときや内閣改造で大臣就任の際に発した言葉が「理屈じゃない」。

<21>ホワイト国 輸出管理制度の中で、優遇措置の対象国を日本では「ホワイト国」と呼んでいた。現在の名称は、グループAと変わった。韓国をホワイト国から除外し、日韓関係は混迷を深めている。

<22>◯◯ペイ 現金以外で代金を支払うキャッシュレス決済の競争が激化する中、ここ数年で急速に増えたのが◯◯ペイと呼ばれる「コード」を使う方式である。店側の端末に表示されたコードをスマホで読み取ったり、支払い者のスマホに表示したコードを店側が読み取ったりして決済する。PayPay、7ペイ、ファミペイ、などさまざまな「Pay」が生まれた。

<23>MGC(マラソングランドチャンピオンシップ) 日本陸上競技連盟が東京五輪に向け発表したマラソンの選考システム。陸連が指定した大(MGCシリーズ)で、所定のタイム、順位をクリアした選手が19年9月15日に行われた選考レース(MGCレース)に出場する権利を得る。3枠目は、19年冬から20年春にかけての選考対象レースMGCファイナルチャレンジの結果しだいで決まる。

<24>免許返納 政府や自治体などが呼びかけるものの、生活に車を必要とする地域などではなかなか難しい運転免許証の自主返納。高齢ドライバーによる事故が報道されたり、芸能人の間でも返納が広がり、後期高齢者の返納件数も増えているという。

<25>闇営業 吉本興業などに所属するお笑い芸人が、振り込め詐欺グループの会合に参加しギャランティーを受け取っていたことが明らかになった問題で、業界内では「直」という言い方が一般的とされるが、タレントが事務所を通さず直接受ける仕事のことがメディアでこう表現された。所属芸人の会見に続き、社長が会見することに発展し、騒動となった。

<26>4年に一度じゃない。一生に一度だ。 ラグビーワールドカップ日本大会の、日本公式キャッチコピー。

<27>令和 新元号「令和」が発表され、さまざまな派生表現も生まれた。令和おじさん、令和婚、令和の怪物、令和初、令和最初の、、、などである。社会生活においては元号離れが進んでいる現状だが、元号の出典は日本最古の歌集である「万葉集」であることや元号決定までの経緯なども公表された。考案者探しなど、連日テレビや報道が盛んだった。

<28>れいわ新選組/れいわ旋風 山本太郎が4月に旗揚げした「れいわ新選組」は、参議院選挙までの約3カ月間で4億円以上の寄付を集め、独自の選挙戦を展開した。街頭演説がスマホで動画撮影され、ツイッターで拡散し、波となった。格差是正と政治の役割を真っ正面から語り弱者に寄り添う演説に多くの人が魅了された。

<29>笑わない男 ラグビーワールドカップ日本大会で活躍した、プロップの稲垣啓太選手のこと。スコットランド戦で代表初トライを決めたこわもての選手で、大金星後の集合写真でも笑顔なし、とスポーツ紙の一面を飾る。

<30>ONE TEAM(ワンチーム) ラグビーワールドカップの日本代表選手たちはジェイミー・ジョセフヘッドコーチのもと早い段階から1つに結束することをテーマに掲げていた。日本がプールステージ(1次リーグ)を突破し8強を勝ち取り初の決勝トーナメント進出という大きなインパクトを与えたことで、このスローガンも広く知られることになった。