「週刊文春」で2週続けて、台風15号被害のさなかの「私的視察」疑惑が報じられた森田健作千葉県知事(69)が14日の定例会見で「私は至らない男でございます。いろいろなご意見を真摯(しんし)に受け止め、それを教訓として次に備えることが大事。そのように思っています」と述べた。

14日発売の「週刊文春」は、森田氏が千葉市の知事公舎を「住所」として届け出ているとして、台風15号の被害の中、立ち寄った同県芝山町の家を「別荘じゃなく自宅」とする知事の主張に疑問を投げかけている。森田氏は「住所というのは今の生活基盤があるところです。では自宅とは何なのか。法的に定義がないんです」と釈明。「私は芝山しか家がないんです。知事が終わってどこへ行くんですか。芝山です。だから『自宅』っていうんです」と説明した。

「週刊文春」は過去4回の県知事選で計5000万円以上の余剰金が発生しているが、収支報告書に記載されず、使途不明になっている疑惑も報じている。

森田氏は「法律の専門家」の見解として「公選法では選挙運動費用の残余財産の使途については特に規制を設けていません。従って政治団体に寄付することもできますし、政治家個人がそのまま政治活動に支出することもできます」と説明。残余金は「私の政治活動に使っている」と話した。

報道陣からの質問は週刊文春が報じる疑惑に集中したため、「何々、もう1度ちゃんと言ってくれよ」といら立つ場面もあった。先週7日の会見では水を入れたコップを持つ手が震えるシーンが繰り返し放送された。そのためか、この日は会見中、コップを手にしなかった。

森田氏は会見の締めで「私は多々至らない点はあります。謙虚に反省し、教訓として頑張っていきますので、なんとか皆さんご協力下さい」と、再び「至らない」を口にした。