首相が公費で主催する「桜を見る会」を巡って、不透明な招待基準や参加人数の肥大化が問題視される中、釈明に追われる安倍晋三首相の地元山口県で招待された人の中にも「なぜ誘われたのか分からない」という疑問の声が上がった。

安倍首相のお膝元の山口県内からも疑問の声が噴出している。招待の対象者となるのは自民党員や後援会員で功績のあった人とされており、長門市で2回出席したという後援会関係者も「基本的には自民党員と後援会員だ」と明言する。だが、該当しない人たちも招待されていた。案内状をもらって「断ったが毎年届く」や「以前1度だけ来た」「断ったら声が掛からなくなった」という人もおり、招待基準は曖昧だ。

下関市で商業施設を経営する男性は自民党員でも後援会員でもないが毎年案内状が届くという。「なぜ誘われるようになったか分からない」と話した。長門市議会議長を務めた男性は「任期終了後に1回だけ招待された」という。「自民党系市議や自治会長らが呼ばれる。功労の有無に関係なく、なりふり構わず招待しているのではないか」と推測する下関市議もいる。

「桜を見る会」の出席者は2014年度以降、年々増え続け、今年4月は約1万8200人と肥大化した。同会前日に都内ホテルで開催される「前夜祭」の参加費1人5000円は「安すぎる。公職選挙法違反の疑いがある」と野党から追及の声が上がっている。

批判を受け、政府は来年の開催中止を決定。安倍首相になり毎年参加している後援会幹部の男性は「参加要件が曖昧。中止は見直しの良い機会だ」と評価した。一方、これまでに数回参加したという後援会員の女性は「また行きたいが、功績がないので(再開後は)対象ではないだろう」と残念がった。