年末の風物詩「現代用語の基礎知識選 2019ユーキャン新語・流行語大賞」が2日、発表された。18年のトップテンに入った、米著名映画プロデューサーによるセクハラが告発され、同様の被害を受けた女性たちがインターネット上で連帯した運動のスローガン「#MeToo」になぞらえて「靴+苦痛+MeToo」を合わせた「#KuToo」がトップテンに入った。

「#KuToo」は、日本の職場で女性のみにハイヒールやパンプスを強いる企業の服装規定をなくし、選択肢が男女同じになることを目標にした活動。1月に、グラビア女優でアクティビスト(活動家)の石川優実氏がSNSで発信したことがきっかけとなり、多くの人の支持を集めた。

6月には、国会で当時の根本匠厚労相が「業務上で必要かつ適切ならばハイヒール着用の強制は社会的に受け入れられる」と発言したのに対し、高階恵美子厚生労働副大臣は「女性のハイヒール着用は強制されるべきではない」と述べ、性別間の不平等に対する認識の差があらわになった。

石川氏は10月に、英国の公共放送BBCが13年から毎年選ぶ、世界の人々に感動や影響を与えた「今年の100人の女性」に、女子相撲に取り組む立命館大の今日和(こん・ひより)さんとともに選ばれた。「今年の100人の女性」には16年に故小林麻央さん、17年には元プロテニス選手の伊達公子氏が選ばれており、世界的にも認知が広がっている存在だ。

平成最後となった18年の新語・流行語大賞では、トップテンに「#MeToo」「奈良判定」と、ハラスメントに絡む言葉が2語入った。その「#MeToo」から派生した格好の「#KuToo」がトップテンに入った。「現代用語の基礎知識」の大塚陽子編集長は「昨年の「#MeToo」に続く流れで「#KuToo」という言葉が生まれたことは男性女性関係なく、誰にとっても生きやすい社会への一歩として力強く感じる」と期待を寄せた。