大学入学共通テスト(20年度開始)をめぐり、国語と数学の記述式問題の導入見送りが来週に決まる方向になった。英語民間検定試験に続き、施策の柱が失敗。入試改革は、共通テストそのものの中止=センター試験継続を求められる事態といえる。

12日に開催された記述式問題をめぐる第6回野党合同ヒアリングでは、文科省担当者は「どんな改善が可能か検討し、課題解消に向けて努力し、年内には方針を固めたい」と繰り返した。

野党側は一貫して、文科省などが公正、公平な試験ができるとする根拠を論理的に追及。その結果、この日もずさんな制度設計の実態などがあらためて露呈した。

例えば、大学入試センターは、採点を請け負うベネッセ・グループの学力評価研究機構が模試でどのくらいの採点ミスを出しているかのデータを、文科省にも伝えられないと主張。また学力評価研究機構の社員数などについても、同社が公表しない方針と発言。採点作業中に新たな正答例が出たときの対応についても、あやふやな回答が続いた。

野党からは「文科省などは業務請負契約でちゃんとやる、やれなければ業者にペナルティーを科すというが、そこには受験生がおざなりになっている。受験生が被害を被る」などの指摘が相次ぎ、共通テストの中止を求めていく姿勢もみせた。

大きな変更は2年前までに決め公にするという文科省の基本ルールはとうにやぶられている。高校生をはじめ教育現場に対し、萩生田光一文科相や文科省が来週、どんな説明をするのか、注目される。