動物の嗅覚を生かしたがん検査で先行しているのが探知犬だ。17年度には全国の自治体で初めて山形県金山町が導入し、18年度までの2年間で1280人が受診した。結果は陽性と判定された45人のうち4人からがんが見つかり、陰性1235人のうち5人にがんが見つかった。

町民からは「探知犬も間違うんだな」という声も上がったというが、がんではない人を陰性と判定した「特異度」は99・6%(1235人中1230人)。線虫より高い。陽性からがんが見つかった割合も少ないように見えるが、高度異形成(前がん状態)にも反応するためで、今後の検診を見ていかないといけないという。

探知犬の育成、検体検査にあたるセントシュガージャパンの佐藤悠二代表によると、探知犬は現在7匹。月に100検体が限度という。「すべてのがんに反応しますが、犬は生き物なので個体差があり、暑さなどその日の調子もあります」(佐藤代表)。検査は3万8000円(税込み)。全国約20の病院がオプション検査として導入している。