将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が16日、大阪市の関西将棋会館で指された順位戦C級1組8回戦で小林裕士七段(43)に77手で勝利し、開幕から無傷の8連勝とした。各10局を戦う順位戦C級1組は今期36人が参加し、上位2人がB級2組へ昇級する。藤井は残り2局で1勝すれば、上位2人以内が確定。昇級へマジック1とした。

20年初対局を白星発進した藤井は「早い段階で戦いにいった将棋でした。途中は指しやすくなったかなと思ったが、その後がなかなか分からなかった。最後まで難しい将棋でした」と振り返った。

順位戦は最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が名人挑戦者となる。藤井は前期、9勝1敗の好成績を収めたものの、B級2組昇級を逃した。上位が同じ戦績で並んだ場合、昇級は「順位」が優先され、昨年はプロ2期目だった藤井の順位は31番。同じ成績で並んだ3人よりも「順位」が下だったため、「頭ハネ」で昇級を逃した。

谷川浩司九段が持つ名人獲得の史上最年少記録は21歳2カ月。これを更新するには、今後の順位戦をすべて1期で昇級する必要がある。「残り2局も気を引き締めて指したい」と意気込んだ。

新年を迎え、今年の目標として「まず実力をつけて、タイトルに挑戦できるようにがんばっていきたい」と抱負を語った。今年は最年少タイトル挑戦、奪取を目指す。屋敷伸之九段が1989年に作った史上最年少のタイトル挑戦記録は17歳10カ月。来年6月上旬に開幕予定の棋聖戦が、藤井のラストチャンスとなる。【松浦隆司】