囲碁の最年少プロ、仲邑菫(なかむら・すみれ)初段(10)が16日、名古屋市の日本棋院中部総本部で打たれた第76期本因坊戦の予選Bで元王座の羽根泰正九段(75)に敗れ、同棋戦での敗退が決まった。昨春デビュー後、過去最大の年齢差となった65歳差対決だった。これで20年は2連敗スタートとなった。通算成績は17勝9敗。

仲邑にとっては初の七大タイトル経験者との対戦。対局は持ち時間各3時間。羽根が289手で白番5目半勝ちした。対局後、仲邑は終始、無言。悔しさをにじませた。

羽根は三重県出身で、1958年にプロ入り。90年に王座を獲得し、15年に通算1200勝を達成した。日本棋院中部総本部所属で「中京のダイヤモンド」の異名を持つ。仲邑の印象について「読みがしっかりしているから、なかなか土俵を割らないね。(コウがらみの前後の局面で)黒が生き返り、見損じもあり、ちょっと焦った。ただ、コウ勝負の局面のあとでも、(白は)悪くないかもしれないね」と話した。

羽根は、息子の直樹碁聖(43)、孫の彩夏初段(17)も棋士で、三世代現役棋士としても知られている。