相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で16年に45人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた元職員植松聖被告(29)の裁判員裁判の第6回公判が20日、横浜地裁で行われた。

弁護側は同被告が薬物を使用し「大麻精神病で別人格になった」と、薬物により急激な人格の変化があったとして一貫して無罪を主張しているが、この日は友人らの供述を紹介した。

植松被告は、都内の私大文学部教育学科を12年3月に卒業し教員免許を取得。教育実習の総合成績は70~79点のBで「朝、児童を玄関で気持ちの良いあいさつで迎えていた」と評価された。一方で、大学3年から危険ハーブを吸い、入れ墨を入れ彫師の元で働くようになった。教員を諦めて津久井やまゆり園で常勤で働き始めた13年からは大麻の使用も始めた。

幼なじみの供述によると、同被告は「重度障害者は人間じゃない。俺が殺すことでセカイが平和になり、トランプ大統領は大絶賛する」などと主張。友人の反論には耳を貸さず「何で否定的なの」と反発したという。

植松被告は8日の初公判の際、自傷行為を行い暴れて退廷を命じられて以降、白い手袋を着用していたが、この日は素手で右手の小指に包帯を巻いていた。