新型コロナウイルスの感染が拡大する中、国内の繁華街でも不安の声が出始めている。不特定多数の男性を接客するキャバクラや性風俗店では、「濃厚接触」を避けるのが困難なため。国内で感染者がさらに増えた場合、仕事を辞めると話す女性もいた。

都内繁華街のキャバクラに勤務する大学生(20)は「新型コロナウイルスの感染者が増えるニュースを見るたび、店に行くのが怖くなってきました。よく知っている指名客は大丈夫ですが、毎日何人も、初対面のフリーのお客さんと会話する仕事ですから“濃厚接触”の連続です。さすがにキャバクラでマスクをして働くわけにもいかないし、国内でこれ以上感染が広がったら、店を辞めます」と話した。

厚生労働省の公式ホームページによると、「必要な感染予防策なしで、手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、接触した方など」を、一般的に「濃厚接触者」と定義している。

また、一般的に、キスや抱擁など肉体的接触も可能とされる業種、通称セクシーキャバクラ(セクキャバ)に勤務する女性からも、不安の声が出た。

都内の店に勤務する専門学校生(19)は「時給が高いため、1月からセクキャバで勤務し始めたばかりなのですが、その直後から新型コロナウイルスが連日、ニュースで話題になり始めたんです。さすがに知らない人とキスなどをするのは抵抗が強くなり、できるだけしないようにしています。次のお給料をもらったら辞めようかと考えています」と明かした。

都内の派遣型風俗店、通称デリバリーヘルスに勤務する女性(24)も「性的サービスをする仕事なので正直、濃厚接触どころか、粘膜接触も避けられない。私を含め、ほかの女性も新型コロナウイルス感染の拡大次第で、当面休むか転職する意向の人が増えていると思います」と告白した。

店によってはすでに、客数にも影響が出始めている可能性もあり、埼玉県内の性風俗店店員は「あくまでうちの店に限ってですが、2月に入ったころから、客足が少し減った気もします。もともと2月は例年、閑散期とされるためウイルスの影響かは断定できませんが、早く拡大が収束することを祈るような気持ちです」と話した。