乗客が新型コロナウイルスに感染したことを受けて、5日朝から全乗客が客室での待機を余儀なくされているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を運営する、米国の船会社「プリンセス・クルーズ」は9日、来日中のジャン・シュワルツ社長名で乗客に配った文書で、全乗客にツアー料金の全額を払い戻しする旨、通知した。一部の乗客がツイッターに文書を撮影した画像を公開した。

文書の画像によると、払い戻しの内訳は

<1>クルーズ料金

<2>クルーズ前後の航空運賃

<3>クルーズ前後のホテル宿泊費

<4>送迎料金

<5>事前支払いした寄港地観光ツアー

<6>サービス料

<7>その他の料金

また、検疫期間中に利用明細の料金が加算されることもないという。

また乗客には、今回のクルーズの基本料金に相当する、100%のフューチャーズクルーズクレジットも提供するとした。同クレジットは、21年2月28日まで予約したクルーズや、全額支払っていない既存の予約にも使えるという。

また、現在、乗船中の乗客が自宅に帰るための手配を検討しているという。文書には「日本政府と話し合いを進め、情報がまとまり次第、皆様にお知らせします」としている。

また、今回の措置に踏み切った理由として「異常な状況を考慮致しまして」「皆様が現在感じているストレスを少しでも緩和できるよう願っております」などと記した。

香港人の男性乗客(80)の感染が1日、下船した香港で発覚したことを受けて、3日から検疫を始め、5日からは全乗客に客室での待機を指示したことに対し、最大限の誠意を見せた格好だ。