新型コロナウイルスの感染拡大により中国湖北省武漢市から1月29日に、政府チャーター機第1便で帰国し、千葉県勝浦市の「勝浦ホテル三日月」に滞在している約170人の再検査が11日、始まった。検査結果は12日にも出る見通しで、陰性が確認できれば即日帰宅が可能となる。対応に当たる内閣官房担当者などによると、滞在者のうち20~30人が12日中に退出する。

市民からはこれまで辛抱強くホテル内で滞在してきた帰国者に応援する声が上がった。有名人も多く通う勝浦タンメン「いしい」の石井忠春さん夫妻は、多い時は1日に200食が売れるが、最近は観光客も減って10~20食だという。三日月の宿泊者が飲んだ後に食べるという勝浦タンタンメン。それでも「三日月の人も大変だと思う。(宿泊者)本人たちも本意ではないから…。お互い頑張りましょうという気持ちです」と思いやった。

夫婦で食堂を営む50代の妻は「正しい情報を正しく理解してほしい」と風評被害を心配した。自治体への不満は大きい。「市が1番早く説明会を開いていたら市民の受け止め方が変わっていた」と対応の遅さを指摘した。キャンセルも数件出ている。夫の男性は「勝浦は安全だ」と自慢の料理を作り続けていくつもりだという。【佐藤勝亮】