新型コロナウイルスの集団感染が発生しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で18日、新たに88人の陽性が確認された。

船側は同日午後7時半に船内アナウンスで、19日の下船は午前10時半ころから始まる予定と乗客に通知した。その上で、下船する乗客には、下船の時間帯、英国籍の船から日本に入国する際の、入国審査に関する情報が記載された案内を送ると説明した。下船開始時間は変更の可能性があるとした。また1度、下船すると再度、船に戻ることは出来ないとし、忘れ物をしないよう呼び掛けた。

乗客の男性は、厚労省が最短での下船日として示した19日を翌日に控え、新たに88人の感染者が発覚したことを受けて、下船が遅れる可能性を視野に入れていると語った。

「感染者の病院への搬送が優先される。陰性だった人の下船は、どうなる？　きっと後回しになるだろう」

10日に65人の感染が判明した際も、翌11日午前に搬送した感染者は32人にとどまった。高齢の乗客の中には、つえをついたり自力歩行が難しい人もおり、搬送に時間を要することは避けられない。

乗客には18日にも自室から外出する機会が与えられたが、乗客の多くは早ければ翌日に下船できるにもかかわらず、表情や動きに疲れが見られる人が多かったという。男性は「運が良ければ明日、下船できるかもしれないと期待はするけれど、がっかりするから当てにしない」と現実を冷静に見詰めた。厚労省は全員の下船日を21日としており、男性は「ここまで来たら下船日が1、2日、延びても良いですよ」と口にした。【村上幸将】