昨年1月、千葉県野田市の小学4年生栗原心愛(みあ)さん(当時10)が虐待され、死亡した事件で、傷害致死罪などに問われた父勇一郎被告(42)の裁判員裁判の第3回公判が26日、千葉地裁(前田巌裁判長)で開かれ、心愛さんの母(33)が証人出廷し「助けてあげたくても監視、束縛が強くて、どうすることもできなかった」と証言した。

母親は17年に勇一郎被告と復縁。次女が誕生し、心愛さんは勇一郎被告に疎まれた。同年7月に沖縄から野田市に引っ越すと、虐待が始まり、心愛さんは「毎日が地獄」と言ったという。同年11月、学校のアンケートで「お父さんにぼう力を受けています」と訴え、一時保護されたことには「正直ほっとした。家では心愛を守ってあげられない」と語った。18年12月から19年1月の暴行は「まぶたが腫れ、ボクシングをしたようだった」という。

尋問は法廷と別室をビデオ電話でつないで行われた。27日も証人出廷する。