南紀白浜空港(和歌山県西牟婁郡)は31日、新たに設置した「加熱式たばこ専用喫煙室」を報道関係者らに公開した。4月1日に全面施行される改正健康増進法に伴い、国内の空港ビル内で初めて紙巻きたばこを全面禁煙とした。南紀白浜エアポートの岡田信一郎社長(48)は「搭乗者の方から、たばこの煙、においが気になるという声も聞きました。4月からは受動喫煙から解放され、スモークフリー空港として生まれ変わります」と語った。

加熱式たばこ専用喫煙室は、空港1階ロビー、2階搭乗口付近の2カ所。ともに観光地の白浜らしい、リゾート感あふれる内装になっている。また、紙巻きたばこの喫煙室も、玄関脇の屋外に設置している。岡田社長は「禁煙者、喫煙者、どちらの気持ちも分かります。共存できる施設を目指します」と話していた。

加熱式たばこは紙巻きたばこに比べ、煙が出ず、においも弱い。今回の企画に全面協力したのは、国内2位のたばこ会社、フィリップモリスジャパン。同社のシェリー・ゴー社長は「空港の利用者に、よりクリーンで快適な環境を体感していただきたい。この取り組みが全国の空港に広がっていくことを願っています」とコメントを寄せた。

◆南紀白浜空港 1968年(昭43)開港。白浜温泉の温泉街から約1・5キロに位置し、本州最南端の空港でもある。昨年4月1日に民営化。現在、東京(羽田)と1日3往復が運航している。

◆加熱式たばこ 紙巻きたばこが火で燃焼させるのに対し、たばこ葉に熱を加え発生する蒸気を吸う。煙や灰を出さないのが特徴。代表的な商品にIQOS(アイコス)など。