新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受ける飲食業界は今日1日から国の改正健康増進法と、東京都では受動喫煙防止条例の全面施行で厳しさはさらに増しそうだ。全国の飲食店は原則として店内禁煙となる。客席部分の床面積が100平方メートル以上か、資本金5000万円以上の比較的規模の大きな店舗が対象。それ以下の店や個人営業は客の喫煙が認められる。規制対象となった店舗で喫煙するには国や都の基準に適合した喫煙専用室を設置する必要がある。

飲食業界にとってトリプルパンチだ。まずコロナ禍による訪日外国人、国内需要の激減が止まらない。都では深夜の外出自粛要請と3月28、29日の週末に不要不急の外出自粛要請を出した。3月30日には小池知事が夜の接待飲食店への入店自粛を呼びかけた。

全国飲食業生活衛生同業組合連合会では今回の規制強化で「都内では7割から8割の店舗が影響を受ける」とする。喫煙専用室を設置するスペースや設置費用がなく、禁煙店舗に切り替えざるを得ない小規模店も少なくない。「前年同月比の売り上げが半分以下となった店舗もある中でどうなのか」と懸念する。

居酒屋チェーン「白木屋」「笑笑」などを運営するモンテローザでは「総店舗1640のうち、1410店舗に喫煙専用室を設置予定で1200店舗が設置済み。残る230店舗は全面禁煙になる」という。受動喫煙を防ぐ規制強化で愛煙家の足が遠のけば、飲食業界はさらなるダメージとなる可能性が出てきた。【大上悟】