東京都は2日、新型コロナウイルスの感染者が新たに97人確認されたと発表した。3月31日の78人を約20人上回り、最多を更新した。都では、都立学校の新学期からの再開を見送り、休校を大型連休明けの5月6日まで継続することを決定した。感染が広がる他の自治体でも再開延期の動きが出ており、教育現場への影響は広がるばかり。子どもたちの学びの場となっている学習塾にも、強い危機感が漂っている。

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全国で700、都内で319教室ある栄光ゼミナールでは、2月27日の政府の休校要請を受け、3月2~13日まで臨時休校を決めた。その間、電話で生徒の質問に職員が答えるシステムを取り、学習の場を保ってきた。14日から通常営業を再開し、今は春期講習中だという。

担当者は「『3密』をしっかり避ける取り組みをしています。生徒が隣同士に座らないなど座席の配置を工夫し、換気、ドアなどの消毒、せきエチケットの徹底などがあります」として、密室となり得る教室で生徒数を制限していることを明かした。政府による、週末の外出自粛要請を受け、東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬の教室では3月28~29、4月4~5日の間、職員を含め、臨時休校の措置も取った。

一方、個別指導で全国に1920、都内に174教室ある明光義塾の担当者は「生徒、講師ともに、健康管理カードに、体温を記入するなど管理を徹底している」と話す。

3月2~15日の休校期間には、教室の除菌など徹底した対策を実施。「元から個別指導なので、壁で仕切られている」と「3密」になりにくいことを説明しつつも、今後については対応を慎重に検討している。「検討を重ねています。生徒の安心安全が第一。最悪の事態になってもオンラインでできる。生徒の学びを止めないようにしたい」。全国展開のため、各地域によって対応に差が出ることもあり得るという。

同塾が展開する学童保育「明光キッズ」では、さらに対応に追われている。2月、3月度ともに、前年比150%の問い合わせが殺到。担当者は「塾の職員が、キッズに手伝いに行くほど。現場で頑張っている人は、感染症対策にいつも以上に、気を張っていると思う」と話す。

感染の終息が見通せない中、子どもたちやそれを見守る大人たちの不安は消えない。【佐藤勝亮】