京大病院(京都市左京区)は8日、公式サイトで、新研修医が多数、自宅待機になっているとの報道について文書を発表した。その中で、1日までの2週間の間に1回でも2人以上で飲酒を伴う外食をしたことがあるかなどについて自己申告を求め、自己申告をした新研修医が57人に上ったこと、新型コロナウイルスを発症した研修医の中はいないことを明らかにした。

京大病院は、宮本享院長名で「新規採用研修医の自宅待機に関する報道について」と題した文書を発表した。冒頭で「先般、本院に採用された新研修医が多数自宅待機になっていることについての報道がございました。京大病院を受診されている患者さんや関係者の皆様にご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます」と、関係各位に謝罪した。

その上で「本院では、本年3月に各地の大学を卒業したばかりで4月から本院で勤務をはじめる新研修医に、4月1日までの2週間の間に一回でも2人以上(家族での食事を含む)で飲酒を伴う外食をしたことがあるか等について自己申告を求め」と、新研修医に対し、飲酒を伴う外食に関する調査を行ったことを明らかにした。

そして「該当する場合には外食等の事実があった日から14日間を自宅待機とすることで、感染リスクを徹底的にゼロに近づける措置を行いました。この自己申告をした新研修医が57名に上ったというのが報道されている事実です」と報告した。

京大病院は「本院としては、就職予定の新研修医に旅行や外食等の自粛を予め連絡しておりましたが、必ずしも全員が正確にその内容を十分理解できていたとは限らないなかで、研修医たちは極めて真摯に自己申告してくれたものと認識しています。未来の医療を担う若者です。温かく見守っていただければ幸甚です」と、新研修医たちが誠実に調査に応じたことを強調。「なお、これらの研修医の中に、新型コロナウイルス感染症を発症している者は1名もおりません」と感染者はいないことを明らかにした。

文書の最後に「本院では、患者さんと医療スタッフを含む本院職員の安全を確保し、高度な医療を継続的に提供し続けられるようにするために、家族での外食の自粛を含む、厳しい基準での感染予防策を職員に求めております」と、職員には家族での外食の自粛などを徹底していると説明。「引き続き職員の感染予防に関する意識を高め、徹底した感染管理を行って、安心・安全な医療の提供を継続に尽力して参ります」(文書は原文のまま)とした。

京大病院については、前日7日に医師や研修医ら計95人が、飲酒を伴う会食の自粛方針に反したとして自宅待機となっていることが明らかになったことが報道された。その報道を受けて、飲食や会食をしたということが、あたかも宴会などを行ったように捉えたり、ネガティブな反応が一部で出ていることに対し、事実関係を正確に伝えるべく、発信したものとみられる。