新型コロナウイルスの感染拡大で県外ナンバーの車両に対する嫌がらせなどを抑制するために徳島・三好市は27日から「徳島県内在住者です」とデザインした車両設置用の印刷物を配布し、ホームページ上にも画像を掲載したが悪用防止のために急きょ、翌28日に画像を削除した。

同市では緊急事態宣言が発令されてから、県外ナンバーの車両に対して「車を傷つけられたり、投石、暴言を浴びせられたなどの声が寄せられていた」などの通報が寄せられていた。そのため県外ナンバーの車両を使用する市民向けに県内在住者であることを示し、車のダッシュボードの上などに置けるA4サイズの印刷物を作製し、27日から希望者に配布した。また市のホームページに無料でダウンロードして印刷できるように画像も掲載した。

だが、ネット上に「これがあれば三好市に行ける」や「差別的だ」などの投稿が相次いだ。画像を作成した同市の秘書人事課では「市民の不安解消のために対応したが、逆に悪用される恐れもある」と困惑する。県内在住を示す印刷物は4月30日までに約30枚が配布され、市では今後も希望者への配布を続ける。

道路運送車両法で車のナンバーは住所地に合わせて変更することが定められているが、警察署や各運輸局でナンバープレート変更などの手続きが必要で変更費用も発生するため、そのまま利用するケースは少なくない。緊急事態宣言が続く中、全国各地で地元以外のナンバー車両への逆風が高まっている。【大上悟】