千葉県成田市、佐倉市、酒々井町など7市2町からなる印旛市郡医師会は26日、ワンボックス車による「移動式PCR検査所」を導入すると発表した。運用開始は28日の予定。同県ではすでに鎌ケ谷市の鎌ケ谷市医師会が導入している。

この検査所は、車両の後部座席を取り払って、医療従事者が入る。後ろのドアを開けて透明パネル越しに検査が行える。

これにより、新型コロナウイルスの検査を実施する際の感染リスクを最小限に抑えられる。検査ごとに防護服の交換をせずに済む。「移動献血車」のような感じで、駐車場など屋外で実施できる。

もともとは、日本医師会にイベント会社「TSP太陽」(本社・東京都目黒区)が、テントのノウハウを生かし、「陰圧式テント」を4月上旬に提案したことから始まった。

テントでは飛沫(ひまつ)感染によるリスクが高く、間仕切りのあるタイプを医師会側から求められた。そこで、「電話ボックス型」の検査所を同月下旬に提案。同時に2トントラックを使った移動式で、荷物収納スペースに医療従事者が入る形の開発も進めていた。

実際に試したところ、どちらも密閉されるため、防護服にマスクでは夏日や真夏日になると暑い上、呼吸しづらく動きづらいとの指摘があった。エアコンが車内にも回るワンボックス型にして、難点をクリアした。

印旛市郡医師会は、「市町をまたいでのPCR検査を実施するため、感染リスク、個人の防護具不足の課題に対応した、移動型のPCR検査所を導入しました」としている。