フィットネスクラブを運営するRIZAP(ライザップ)グループは26日、グループの全社員、RIZAPブランドの全トレーナー及び全ての利用客を対象に、新型コロナウイルスの抗体検査を、同社が全額負担して提供すると発表した。得られたコロナウイルス抗体検査の結果は、感染症コントロール医が分析の上、コロナウイルス対策のための学術研究に生かしていくという。新型コロナウイルスの抗体検査が、日本国内でなかなか進まない現状の中、健康増進に携わる企業として、いち早く動きだした。

今回の施策における新型コロナウイルスの抗体検査の対象は

<1>RIZAPグループ75社に所属する全社員5346人

<2>RIZAPブランドの全トレーナー1152人

<3>フィットネスクラブの利用客

に加えて

<4>新規入会の客に関しても原則、新型コロナウイルスの抗体検査を受ける

とした。客に対しては準備が整い次第、順次、検査を提供していくという。検査対象者は全員、医師の診察を受け、その指示に従って検査を受ける。

新型コロナウイルスの抗体検査を実施することより、現在または過去に感染した可能性を把握する。検査結果で陽性となった従業員と客が出た場合は、保健所などの指示に従い、必要に応じて隔離療養を行う。保健所の調査には全面的に協力し、必要に応じて店舗閉鎖対策も講じていく。

RIZAPの店舗は現在、自粛要請によりその多くが休業しており、今後も政府、自治体の方針に従いながら順次再開し、客の予約時間を調整するなど、営業時間を自粛しながら行っていくという。その中での、今回の施策の目的は

<1>RIZAPグループに所属する全ての社員、トレーナー及び利用客に、新型コロナウイルスの抗体検査を実施することで、不安を少しでも取り除く。

<2>収集した検査データを、感染症コントロール医が結果を分析し、無症状の感染者がどの程度いたのかを現状把握し、国内における新型コロナウイルスの感染実態の把握と今後の感染拡大防止に、社会の有用なデータとして活用する

という2点だ。

今回の施策には、提携医療機関のナチュラルハーモニークリニック表参道統括院長を務め、ICD制度協議会認定感染症コントロール医の松山淳医師と、新宿メディカルクリニックが協力する。研究結果は、ナチュラルハーモニークリニックに提供し、同医院の感染症コントロール医が結果を分析した上で「日本オーソモレキュラー医学会」をはじめとする本年度の学術集会(医学会)および「the American journal of experimental and clinical research」などの医学誌での発表を予定しているという。

松山医師は「日本のみならず世界で第2波の流行が懸念されています。ワクチンがない現状では、抗体検査をはじめとする診断法の確立、各データ収集・分析が重要であり、それにより新型コロナウイルスへの対策の幅が明らかに広がってくるものと考えます。また1人ひとりができる日常的な感染症の予防ケアとして、手洗い、うがいをこまめに行うことを推奨しています。さらに十分な睡眠を確保し、栄養を摂取してください。特に身体の免疫力を最大化しておくことが、症状の軽減や発症予防に役立つ」とコメントした。