全国で緊急事態宣言が解除された26日、東京・JR錦糸町駅前にある「海鮮居酒屋MARU」の丸満竜太チーフ(42)は「今年いっぱいは、前の状態には戻らないのかな…」と寂しそうに不安を漏らした。

外出自粛の打撃は深刻だった。3月下旬ごろの売り上げは「8割減」。店内で開いていた日本酒を楽しむイベントも開催できなかった。常連からの声もあり「酒のテークアウトをできないだろうか…」。願いがかなった。国は先月9日、飲食店への支援策として「期限付酒類小売業免許」の導入を発表。丸満さんは翌日、税務署に出向き、すぐに酒のテークアウトを開始。国税庁によると付与件数は8日までに、全国で1万4740件に上る。

客からは「珍しいお酒が家で飲める」と好評だ。休業要請が緩和され、営業時間が22時まで延び「うれしい」と笑顔を見せつつ「感染者がまた増え、同じ苦しみはしたくはない」と、真剣なまなざしで話した。