将棋の藤井聡太七段(17)の史上最年少タイトル挑戦を目指す、第91期ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメント準決勝の佐藤天彦九段(32)戦が2日午前10時から、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。コロナ対策として、お互いにマスクを着用していた。本来なら4月17日に予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う政府の緊急事態宣言で延期された。宣言解除を受けての再開となる。

振り駒でと金が3枚出て、先手藤井は2六歩。後手佐藤8四歩と、お互いに飛車先の歩を突き、注目の一戦はスタートした。

藤井は4月10日、王位戦挑戦者決定リーグ白組、菅井竜也八段戦で勝って以来。対局の間隔が1カ月以上開くのは、2016年(平28)12月24日のデビュー戦で加藤一二三・九段に竜王戦6組で勝った後、翌年1月26日の棋王戦予選、豊川孝弘七段と対戦して以来になる。

対する佐藤天は5月27日、王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦の行方尚史九段戦で敗れて以来となる。

両者は2018年(平30)1月に朝日杯準々決勝で対戦、藤井が勝った。名人獲得経験者が立ちはだかるが、タイトル戦初登場に向けて負けられない。

もう1局の永瀬拓矢叡王・王座(27)対山崎隆之八段(39)も同時に同所で、永瀬の先手で始まった。準決勝の勝者は4日、同所で決勝を行い、勝った方が渡辺明棋聖(36)への挑戦権を得る。

最年少挑戦記録は、屋敷伸之九段(48)が持つ17歳10カ月24日。7月19日に18歳となる藤井にとって記録を更新するには、6月11日までにタイトル戦に登場するのが条件。棋聖戦5番勝負第1局は6月8日、同所での開催が決まっており、最年少挑戦記録更新の可能性がある。

持ち時間は各4時間。同日夕方には、決勝進出者が確定する見込み。