東京都足立区の荒川の河川敷で3日、「シカがいる」との目撃情報の110番通報があり、千住署の警察官や区の職員ら30人以上が出動し、午前11時40分ごろ、捕獲した。

区では、野生のシカとみており、体長1・5メートルのオス。区の担当者によると、捕獲時に少し暴れたことから、警察官が「ごめんな」「もうすぐだから頑張ってくれよ」と声を掛けていた。シカは息が荒く、よだれをダラダラ垂らすなど興奮状態だったが、数時間後にはすっかり落ち着いた様子だったという。現在、区所有の施設で預かっているが、今後については未定だ。

区内では2日朝、別の場所で、目撃者による通報があり、西新井署の警察官や区の職員が駆け付けたが、シカが草むらに逃げ込み、捕獲できなかった。区は区民の安全確保と捕獲のタイミングを計ろうと、その後シカをマークし続けた。

区によると、シカは時折、草むらに隠れたりしながらも、ひたすら南だけを向いて歩き、同日夜には、同区の扇大橋まで到達したという。捕獲場所が扇大橋よりもさらに南だったため、区では捕獲されたシカは2日に目撃されたシカと同一とみている。

5月末に埼玉県戸田市内で、2日後の31日に東京都板橋区内の河川敷でもシカが目撃されているが、南下する行動パターンなどからも、足立区の担当者はそのシカとも同一ではないかとみている。

区内では昨年、イノシシの目撃情報はあったが、シカは初めてだという。