将棋の藤井聡太七段(17)が8日、17歳10カ月20日の史上最年少でのタイトル初挑戦を果たした。渡辺明棋聖(36)に挑戦する、第91期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第1局が午前9時から、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。

本来、将棋界は4月の名人戦7番勝負から年度初の8大タイトル戦が始まるが、今期はコロナ禍のため延期。日程を調整し、棋聖戦からとなった。

朝8時43分に入室した藤井は、和服ではなくスーツ姿。対する渡辺は、羽織はかま姿で3分後に入ってきた。お互い検温を済ませ、マスク姿で盤を挟んだ。

振り駒でと金が3枚出て、先手となった藤井はいつものようにお茶を一服、口に含んでから先手7六歩、後手渡辺後手8四歩として、注目の大一番はスタートした。

従来の最年少挑戦記録は、1989年(平元)12月に屋敷伸之現九段(48)が達成した17歳10カ月24日だった。その屋敷は18歳6カ月と、最年少でのタイトル獲得の記録も持つ。藤井が渡辺より先に3勝すれば、この記録も更新できる。令和の将棋界を占う注目のシリーズから目が離せない。

持ち時間は各4時間。同日夜には決着の見込み。