京都鉄道博物館(京都市下京区)が15日、約3カ月ぶりに営業を再開した。前売り券のみの入場に限定し「3密」を避ける対策を取った。2月28日以来の営業で、感染防止に力を入れ、展示物の運転台や運転シミュレーターの体験などは、不特定多数の利用が考えられるため休止とした。

一方で、職員の工夫で体験が可能となったものもある。高さ約3メートルの蒸気機関の装置は、客がボタンを押して動かすものだが、人感センサーを取り付け、所定の位置に立つと動くように改良した。人気のパンタグラフを動かす装置や、踏切の遮断機を上げ下げする装置にも同様の工夫を施した。展示資料課の岡本健一郎副課長は「装置の前を通り過ぎただけでは動かないように微調整しました」と語った。

コロナ禍以前は平日でも4000人程度の利用があったが、この日は前日までで100枚程度の販売だったという。今後は状況を見ながら、工夫を懲らしつつ、利用できる装置などを検討していく。【南谷竜則】