新型コロナウイルス感染拡大の影響で約3カ月遅れて19日に開幕するプロ野球公式戦を前に、兵庫県尼崎市の尼崎中央三丁目商店街で16日、「日本一早い阪神タイガース優勝祈願マジック点灯式」が行われた。

阪神の優勝セールを告知するマジックボードに今季の公式戦の試合数と同じ「120」のマジックナンバーが掲げられた。例年ならファンら200人以上が集まり、「六甲おろし」を大合唱し、ジェット風船を上げるが、この日は「3密」を避けるため「無観客」「六甲おろし」などなしで、ひっそりと行われた。

点灯式には同商店街振興組合の理事ら約10人だけが参加した。午前11時前、寺井利一理事長(59)の「絶対に優勝するぞ!コロナに負けないゾ!」の掛け声とともにマジックが点灯された。

02年から続く恒例のイベントの中止も考えたが、寺井理事は「中止するのは簡単だけど、マジック点灯を楽しみにしてくれるファンも多い。感染防止対策をして、なんとか開催しようと、何度も話し合った」と話し、悲願の“マジック点灯”に「もちろん優勝を目指してほしいですが、いまは選手にケガなく、シーズンを戦えることを祈りたい」。

同商店街に買い物に来ていた阪神のファン歴50年以上の神戸市の会社員、中川政則さん(60)は「いよいよやね。コロナで暗い世の中が続いたが、阪神にはなんとか関西を盛り上げてほしい」と15年ぶりリーグ制覇に期待を寄せた。