黒人男性が白人警察官によって殺害された事件を受けて「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)」を訴える抗議運動が全米に拡大する中、ロサンゼルス南部トーランス市にある日本人経営の店舗に「日本に帰れ。さもないと店を爆破する」などと書かれた脅迫文が送られたことが明らかになった。

米NBCテレビによると、包丁や鍋などの調理器具を扱う店の入り口にタイプされた脅迫状が貼られているのを従業員が見つけ、警察に通報したという。現在、警察が憎悪犯罪として捜査を始めているが、同市では先週も複数のアジア人が白人の中年女性から差別的発言を受ける事件が発生しており、日本人が多く住む地域だけに在米日本人の間に不安が広がっている。

多くの一流企業やセレブもブラック・ライブズ・マター支持を表明するなど事件発生から3週間以上がたった今も抗議運動が盛り上がりを見せる一方で、人種差別反対運動に対抗する勢力も台頭しており、両者の対立も起きている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)