猛烈な雨に見舞われた熊本、鹿児島両県にある各市町村は4日、住民に避難指示を出し、各所で避難所が開設された。住民はごう音とともに急流が襲う様子を目の当たりにし、サイレンが響く中、避難所などへ急いだ。各自治体では、新型コロナウイルス感染防止策として、「密」を避ける対応も迫られた。

熊本県水俣市では、避難者同士の間隔を最低限2メートルは保とうと、避難所内での定員を半分に減らした。避難所の入り口では検温を実施し、発熱などがあった場合は、パーテーションで仕切った別の場所に案内するように対策を練った。

同時に、市民に向けては、避難先を避難所だけに限定せず、安全だと判断されれば、知人や親戚の家などへの避難も勧めたという。同市の担当者は、昨年9月の台風接近時と比べ、避難者は半分ほどだといい「コロナが気がかりで来られない方もいると思うが、まだ(大雨には)気が抜けない」と話した。

バーでクラスターが発生した鹿児島市でも、避難所入り口で検温を含めた健康チェックを実施するなど、感染対策が厳重になされた。体調に異変を感じた人には、医療機関の受診を勧める方針をたてている。

避難所は市内に101カ所開設し、19カ所へ34世帯58人が避難。現状では、1カ所に大勢が集まることはなく、「密」になることはないという。同市では、大雨警報の解除までは避難所の開設を続ける。【南谷竜則】