女性新人5人の戦いとして注目されていた東京・北区都議補選は5日、投開票され、自民党の山田加奈子氏(49)が初当選した。

元々、小池都知事が特別顧問を務める地域政党、都民ファーストの会の議席だが、都民ファが擁立した小池氏の元秘書、天風(あまかぜ)いぶき氏(34)は敗れた。小池氏と都政で対立する自民が、激戦必至といわれた北区補選で小池氏の肝いり候補を破り、来年の都議選に向けて双方の「緊張関係」が再燃する可能性もある。

来年の東京都議選で、都民ファからの都議会第1党奪還を目指す自民は、今回国政選挙並みの異例の支援体制を敷き、岸田文雄政調会長ら幹部が連日応援に入った。また、同区が地盤でもある公明党の太田昭宏前代表も、山田氏とともに街頭演説に立った。自公は、都知事選では小池氏の再選を支援したが、北区補選は小池氏系と対決する“ねじれ構図”となっていた。

今回の北区補選は、かつて都民ファで小池氏を支えた音喜多駿参院議員が、昨年都議を辞職したことに伴うもの。音喜多氏も今回、直系の佐藤こと氏(32)を支援。小池氏をめぐる複雑な人間関係が、そのまま選挙の構図に反映された形となっていた。

佐藤氏のほか、立憲民主党が北区区議を務めた「筆談ホステス」斉藤里恵氏(36)、ホリエモン新党が進藤加菜氏(27)を擁立したが、及ばなかった。