東京都知事選は5日、投開票され、現職の小池百合子氏(67)が再選を果たした。

2期目を目指す現職知事は圧倒的に強いといわれる。そんなセオリーからすると、小池氏の再選はある意味、「鉄板」だった。しかし、勝負カラーの「緑」をキーワードに、街頭に出て1日1日と、飛躍的に支持を広げていった前回選挙と対照的に、今回はオンラインに絞った選挙活動。守りの選挙だった。

時に「劇場型」といわれる小池氏の闘いを幾度も見てきたが、新型コロナウイルス対策の影響も差し引いても、歓喜なき再選。持ち味の発信力も、オンラインのみでどこまで伝わったのだろう。

小池氏は政治信条として「大義と共感」をよく口にしてきた。前回選挙で大きな支持を集めて初当選したのは、小池氏の「東京大改革」という大義に、都民が共感したからだ。それまで都知事の任期中の辞任が続いた中で、自民党の古い手法が都政ではびこっていたことも知らしめ、多くの人が小池氏に希望を託した。

今回はコロナ対応で選挙戦にも制限があり、バージョンアップしたという小池氏の「東京大改革」という大義も、明確には伝わらなかったような気がする。それでも得票数は前回の約291万票を、さらに上回った。これまでに築いた小池百合子という政治家のブランドの「貯金」と、コロナ禍の中、都政に大きな変化を求めなかった「消極的支援」の結果ではないかと思う。

解散総選挙が取りざたされる永田町では、今でも小池氏がいずれは国政に戻ってくるのではないかとの臆測がある。17年に小池氏が突然「希望の党」を結成し、国政に進出しようとした衝撃は、今も残っている。今回の再選で得た大きな共感を粗末にせず、大義の重さをかみしめ、小池氏自身の言葉通り「都政にまい進」する、2期目にしてほしい。

(文化社会部次長 中山知子。1992年の参院初当選から小池氏をウオッチ)