第163回芥川賞・直木賞の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれ、直木賞は馳星周さん(55)の「少年と犬」が受賞した。

馳さんは1996年、デビュー長編「不夜城」で初候補になって以来、今回が7度目のノミネート。東日本大震災で飼い主を失った犬がさまざまな人に出会う連作短編。ノワール小説で知られる馳さんにとって異色の作品になるが、馳さんは2匹の犬を飼う愛犬家として知られる。

芥川賞は高山羽根子さん(45)の「首里の馬」(新潮3月号)と遠野遥さん(28)の「破局」(文芸夏季号)に決まった。芥川賞には太宰治の孫で、津島佑子さんの長女の劇作家石原燃さん(48)の小説デビュー作「赤い砂を蹴る」もノミネートされ、3度目の正直ならぬ“3代目の正直”で芥川賞の受賞なるかと注目されていたが、届かなかった。