将棋の最年少プロ、藤井聡太七段（17）が渡辺明棋聖（36）に挑む第91期棋聖戦5番勝負の第4局は16日、大阪市の関西将棋会館で行われる。ここまで2勝1敗の藤井が勝てば、棋聖を奪取し、17歳11カ月の最年少タイトル保持者が誕生する。90年に屋敷伸之九段（48）が作った18歳6カ月のタイトル獲得最年少記録を30年ぶりに更新する。

札幌市で行われた第61期王位戦7番勝負の第2局を大逆転勝利した藤井はこの日、大阪入り。関西本部所属棋士の藤井にとっては関西将棋会館はホーム。東奔西走の日々が続くが、中1日での大一番にも「どの対局もいいコンディションで迎えられるように調整したい」と意気込む。

今シリーズは6月8日に東京・将棋館で開幕。第1局では、現役最強と言われる渡辺の得意な戦型となる矢倉に誘導し先勝。第2局は見事な指し回しで中盤からリードを広げ、最後はケタ違いの強さで、初タイトルに王手をかけた。第3局では渡辺の巧みな攻めに屈したが、落ち着いた戦いぶりが目立つ。第4局は、主導権を握りやすい先手番が渡辺に回る。藤井がホームで一気に決めるか、渡辺が逆王手をかけるか。持ち時間は各4時間。16日夜には終局の見込み。