将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が渡辺明棋聖(36)に挑む第91期棋聖戦5番勝負の第4局が16日、大阪市の関西将棋会館で指され、後手の藤井が勝ち、対戦成績を3勝1敗とし、史上最年少で初タイトルを獲得した。

師匠の杉本昌隆八段(51)は弟子の快挙を喜んだ。日本将棋連盟を通じ「藤井聡太新棋聖の誕生をうれしく思います。10年前、小学生の聡太少年に出会ったときから、この日が来ることを確信していました」とコメントした。

終局後の記者会見に同席した杉本は「東海にタイトルを持ち帰るのは私の師匠である故板谷進の悲願でした。孫弟子である藤井棋聖が持ち帰ることができ、感慨深い」としみじみと話した。豊島将之竜王・名人は愛知出身だが、現在は兵庫県に住んでいる。

故板谷進九段は47歳で志半ばで急逝した。名古屋市内にある杉本の将棋研究室には、弟子たちの頑張りを見守るように、故人となった師匠の写真が高く掲げられている。藤井もここで研さんした1人だ。

師匠の満足そうな笑顔を見た藤井は「ずっとお世話になってきた。恩返しできたのかな」とはにかんだ。

同連盟の師匠が寄せた「東海に持ち帰ったタイトルは大切に、いつまでも保ち続けてください」。今月19日に18歳の誕生日を迎える藤井は「これからも一層の精進が必要になる。ファンのみなさんに楽しんでいただきたい」と話した。