将棋の最年少2冠を目指す藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)に挑む第61期王位戦7番勝負の第3局が4日午前9時、有馬温泉(神戸市北区)の老舗旅館「中の坊瑞苑(ずいえん)」で始まった。

ここまで2勝0敗と先行する藤井は第3局に勝つと、一気に史上最年少での2冠に王手をかける。昨年の王位戦、最年長で初タイトルを奪取した木村は逆転で初防衛を狙う。

午前8時43分、紺の着物、濃い緑色の羽織の和装姿で藤井が入室。同49分、木村は白の着物に紺色の羽織で対局場に登場した。

午前9時、立会人の淡路仁茂九段(70)が定刻になったことを告げると、お互いに深々と一礼し、対局を始めた。先手の藤井はいつものようにお茶を一口飲み、心を整えてから7六歩と角道を開けた。

木村は約1分考え、飛車先の歩を突いた。戦型は矢倉に決まった。

対局は持ち時間が各8時間の2日制。1日目は夕方に封じ手をする。2日目は5日午前9時に再開し、夜までに決着する見込み。

「中年の星」と呼ばれる粘りが信条の木村。藤井は7月16日、最も若い17歳11カ月でタイトルを奪取した。「史上最年長VS史上最年少」の激闘が始まった。