NHKは4日、21~23年度の次期経営計画案を発表した。AMラジオや衛星放送のチャンネル削減、3年で630億円程度支出を減らす方針を盛り込んだが、新たな受信料値下げの明記は見送った。

NHK経営委員会がこの日、NHK前田晃伸会長ら執行部が提示した同案を承認した。

チャンネルの増加やテレビ番組のネット同時配信などで肥大化が批判される体質の改善を目指す内容。ただラジオ、衛星放送ともにチャンネル削減の具体的な時期は示さなかった。

衛星放送は、2KのBS1とBSプレミアムを一本化し、BS4Kとの2波体制にする。将来的には、4Kの普及を見極めて、さらに1波への整理を検討するという。BS8Kは東京五輪後に、継続するかを検討。ラジオはAMとFMで3つあるチャンネルのうちAMラジオの第1、第2放送を1つにする。

630億円の経費削減は、番組の作り方の改革を推進し、固定費を削減することやスポーツ放送権料の絞り込みなどで達成するという。これまでNHKは、地上波や衛星波の波別に番組を制作してきたが、今後はおおまかに番組制作を4つのジャンルに整理。<1>ニュース、スポーツ<2>教育、福祉<3>ライフ、教養、趣味、実用<4>ドラマ、エンタメ、音楽、アニメに分け、番組を制作し、各チャンネルで放送する。

NHK経営計画は、NHKが具体的な方針を3年に1度発表する中期経営計画。今回は初めてパブリックコメント(意見公募)を実施し、本年度中に策定する。