お盆休みの帰省シーズンに突入した8日、新幹線や空の便、高速道路など混雑はなく静かなスタートとなった。そんな中、新型コロナウイルスの感染リスクを避けられる交通手段として乗用車での移動が人気となっている。

車中用の快適グッズの売れ行きも好調だ。自動車用品販売の大手オートバックスによると、コロナ禍で来店客が減り、買い物需要が減少する中で「タイヤやホイールなどの売り上げは減っているが、グッズの売り上げが好調」(同社広報部)で、7月の同社売り上げは前年同月比の約101%だという。

人気は後部座席の足元空間に簡単にセットできる「エアークッション」で、後部座席をフラットするなど快適スペースができる。後部座席などに設置し温度を下げる効果がある「遮光カーテン」や、車内用の小型扇風機も売れている。「エアコンがあまり効かない後方座席にも冷風を送れる」とオートバックス広報担当。いずれも真夏の長時間ドライブに重宝しそうだ。

一方で、帰省や旅行の車利用には「県外ナンバー狩り」と呼ばれるトラブル回避の注意が必要となりそうだ。7月16日、石川・金沢市内のコンビニで駐車場に停車した県外ナンバー車が店主から「金沢ナンバーではない」と移動するように通告された。5月には長野・佐久市の柳田清二市長が「県外ナンバーというだけで誹謗(ひぼう)中傷はしないでください」と異例の注意喚起を動画で行った。「県外ナンバーですが、地元在住です」などのステッカーも数多く販売されているが「車が傷つけられた」「罵声を浴びた」など県外ナンバー車への被害が全国で相次いでいる。コロナ禍下では、車移動にも“新しい生活様式”が求められそうだ。【大上悟】