九州産業大(福岡市)が、地元企業のピービーシステムズと共同で、VR(仮想現実)シアターを用いたトレーニングの研究を開始した。コロナ禍における新たなトレーニングのシステムとしても注目されそうだ。

九産大などは、360度の3D映像システム「4DOH」を用いた、新たなスポーツトレーニング手法の開発を手掛けている。サッカーで、たとえばGK目線なら、ピッチ上の選手が蹴り込んでくる映像になり、実際にボールが迫りくる感覚が得られる。PK映像を用いれば、シュートコースの予測などのトレーニングに役立つことも考えられそうだ。

このVRを体験することができるシステムは、同大学の「大楠アリーナ2020」内に設置。人間科学部スポーツ健康科学科の秋山大輔准教授は「実際の(スポーツの)映像を3D化して現実と近い感じで臨場感がある」と語った。

トレーニングでの利用についても「リアルのフィールドでどこにパスを通すのかなど、360度カメラで撮影できる限り検証することができる」と実用性の高さに自信を見せた。

シアターの中に入って使用するため、ヘッドディスプレーを着ける必要はなく、酔ったりもしにくいという。現在は大学に在籍している選手の映像を使用しているが、秋山准教授は将来的にはプロのトップ選手の映像を用いたいとし「優れたプレーヤーはどういう判断をしているのか撮影して、検証できるようになる」と語った。