自民党の千葉県連が来年4月の千葉県知事選に、鈴木大地スポーツ庁長官(53)の擁立を検討していることが18日、分かった。同県習志野市出身の鈴木氏は1988年ソウル五輪競泳背泳ぎの金メダリスト。15年にスポーツ庁の初代長官に就任し、9月末で退任する。過去2回の選挙で自民が支援した現職の森田健作知事(70)は4期目に向けた態度を明らかにしていない。森田氏の動向が今後の鍵を握りそうだ。

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鈴木大地スポーツ庁長官は退任後、日本水泳連盟の会長職に戻ってスポーツ界で手腕を発揮するのが「既定路線」とみられていた。母校順大教授や五輪経験者による国際オリンピアンズ協会理事、日本オリンピアンズ協会会長などは長官就任で離れたが、17年には国際水泳連盟理事に選出。「政治の世界ではなく、スポーツ界で力を尽くしたい」と話したこともある。

長官として選手発掘プロジェクトや部活改革などに着手。生涯スポーツの振興にも取り組んだが、スポーツ先進国の「スポーツ省」と違って文科省の外局だけに力は限定的。「やりたいことができない」とこぼしたこともある。

今月上旬、退任後のことを聞いた。「秘密!」。32年前、圧倒的不利からバサロを伸ばす秘策で逆転金メダルを獲得し、日本中を驚かせた決勝レース前と同じ答えが返ってきた。【荻島弘一】