将棋の藤井聡太棋聖・王位(18)が2冠を獲得した第61期王位戦第2~4局の封じ手各1通のチャリティーオークションが20日、締め切られた。

最高額1500万円、3通合計2250万2000円の異例の高値で落札された。入金確認後に、正式な落札額が発表されるが、収益金は今年7月に九州を襲った豪雨の被災地を支援するために寄付される。

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封じ手の落札額は第2局550万1000円、第3局200万1000円、第4局1500万円と、目を疑うような高値がついた。特に人気となったのは、藤井が木村一基王位(47=肩書は当時)からタイトルを奪った第4局の封じ手「8七同飛成」で、終了4分前の午後8時56分にそれまでの502万9000円から600万2000円、同59分には1500万円に急騰し終了した。

オークションは王位戦の対戦相手だった木村が、九州豪雨被災地への救援金として発案、14日正午からオークションサイト「ヤフオク!」に出品された。

開始翌日の15日昼すぎには、第2局が2500万円、第3局が3700万円、第4局は1300万円までハネ上がり話題となった。日本将棋連盟によると、「50万円以上の入札希望には必要事項を記入してもらっています。その明記がない場合、金額を取り消しています」といい、入札者から連絡がなかったため、額が下げられた。

過去、封じ手がチャリティーに掛けられた例はある。同連盟によると過去のチャリティーでは5万円だった例もある。「ここまで金額が上がったのは、藤井2冠の存在が大きいのでは」と、同連盟ではみており、あらためて藤井人気が証明された。

入金確認後、正式な落札額が発表されるという。収益金は、実費を差し引いた金額を30日までに入金された場合は「社会福祉法人 西日本新聞民生事業団」、10月1日以降は「日本赤十字社」に寄付される。