近畿大(大阪・東大阪市)は5日、体育会サッカー部の男子部員で2~4年の5人が大麻を使用していた事実を公表した。連絡を受けた大阪府警布施署は、大麻取締法違反の疑いで使用状況や入手経路を調べている。

大学側は大阪市内で会見を開き、関西学生リーグ1部に所属する部に対し、1日付で無期限の活動停止を決定。既に3日の公式戦を棄権し、今季残り全日程の出場も辞退した。

9月30日に部員が大麻を使用している情報が部内からあり、翌10月1日に自己申告で5人が使用を認めた。「興味本位」や「新型コロナウイルスでひまになってやった」などと答えたという。男子部員58人、女子マネジャー4人が在籍。今後の調査次第で、関与した部員が増える可能性も否定できない。

5、6回と最も使用回数の多い3年の部員は、会員制交流サイト(SNS)のツイッターで1グラム7000~8000円で売人から大麻を購入し、昨年12月~今年5月に自宅で使用。他の3人はこの部員宅でそれぞれ1、2回使った。うち1人は2年で19歳の未成年。別の1人は大阪市のナイトクラブで知り合った人物から譲り受けたという。

渥美寿雄副学長(60)は「学生は逮捕には至っていないが関係者や地域の信頼を裏切り、責任を感じている」と頭を下げ、今後厳正な処分を行う。部は99年秋のリーグ戦で優勝経験のある中位校で、過去に多くのプロ選手も輩出。現在の4年でJリーグに進む部員はいないという。

大学スポーツでは今年1月に日大ラグビー部員1人が大麻所持で逮捕されている。

◆近畿大 本部を大阪・東大阪市に置く私立大学で全学生は約3万3000人。14年度の総志願者数が14万人を超え、首都圏以外で初の志願者数日本一に。学内で完全養殖に成功した近大マグロが有名。1972年創部のサッカー部は関西学生1部所属で昨年8位。主なOBはJリーグ神戸FW藤本憲明ら。