茨城県警日立署によると22日午前8時30分ごろ、同市高鈴町の住宅街を散歩途中の女性が近隣の交番に駆け込み「大きなクモがいる」と訴えた。現場に警察官が駆け付けると、壁面の排水口近くで、毛むくじゃらのクモが壁に張り付くようにジッとしていたという。

クモなどに詳しいペットショップ関係者に現場で確認してもらったところ「間違いなく外来種のタランチュラです」と鑑定したという。午前10時30分ごろ捕獲され、正午前には日立署で生きたままアクリル製のカゴに拾得物として保護された。

この日の日立市は早朝、雲が立ちこめ、午前6時ごろは14・9度と急激に冷え込み直前の気温から一気に1・2度も落ち込んでいた。タランチュラは熱帯雨林に生息し、気温差の激しい日本では飼育時に、寒さ対策として温熱ヒーターなどで照射するなどすることもあるという。

保護されている日立署では「飼い主のいるペットではないかと思われます。飼い主の方は申し出ていただきたい。住民にけががなくて本当によかった」と話している。タランチュラはやはりジッとして動くこともなく、同日午後8時の時点で署員が入れた生きたコオロギは環境の違いからか食していないという。【寺沢卓】