自民党の石破茂元幹事長(63)は22日、自身が率いる石破派(水月会、19人)の会長を電撃辞任した。この日、行われた派閥の会合で辞意を表明し、9月の党総裁選で惨敗したことを理由に「責任は私にある」と語った。後任には派閥事務総長の鴨下一郎元環境相を推す方向で調整が進んでいる。26日に召集される臨時国会を目前にした石破氏の辞任を巡り、政界に波紋が広がっている。

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政治ジャーナリスト角谷浩一氏 石破氏の会長辞任について、石破派の議員は「急な発表で驚いた」と話していた。それほどの動きだった。自民党総裁選で敗れたとはいえ、石破氏が示す国家ビジョンは明確だ。今、何をしなければいけないかを分かっている政治家で、当然、自民党内より、政界全体に視野を向けているのは確かだ。先のことについて分からないとしているのも、いろいろな可能性があるということではないか。もちろん1人で行動するのは、現実的ではない。今後政局が起きたり衆院選が迫る中、どんな行動を取るのか。菅政権にとっても1つのトゲになりそうだ。